こんにちは!
今回は、ショールームにいらっしゃったお客様もかなり悩みがちな”食器洗い乾燥機”(食洗機)についてです。どんな種類があってどんなメーカーがあるのかを交えて、こんな人にはこの形がおすすめ!というポイントもお話ししていきたいと思います。
食洗機にはどんな種類があるの?
ショールームやハウスメーカー、建築会社と少し設備の打ち合わせをしている人はある程度聞いたことはある、もしくは見たことがある人も出てくるかもしれません。打ち合わせ初回だと聞いたことはあるけど詳しくは知らないんです…という方が多いので、この記事で先取りしてみてください!
深型と浅型
まず食洗機にはこの2つの「深さ(容量)の種類」があります。たくさんの点数を一気に洗ってほしい場合は深型、そこまで点数が多くない場合は浅型というイメージです。人数で比較をすると、深型は4~5人分・浅型は2~3人分と思ってもらえると分かりやすいと思います。
フロントオープンとスライドオープン
聞き慣れない方もいらっしゃるかもしれません。スライドオープンは”引き出し型”と言葉を変えると分かりやすいですね。フロントオープンは、扉が前に倒れるように開くタイプです。フロントオープンの方が中の容量を無駄なく使えるので同じ深型でも入る点数が多く、開けた中身がかご1段ずつ引き出せるようになっているので取り出しも楽。フロントオープンに魅力を感じる人も少なくありません。
国内メーカーと海外メーカー
5年ほど前までは国内メーカーが主流だった食洗機ですが、2~3年ほど前から海外メーカーも日本に進出が始まり今ではよく耳にするメーカーもあり日本の住宅設備メーカーのカタログ設定がされているものもあります。
国内メーカー
海外メーカー
海外メーカーは、フロントオープン型が注目されてから露出するようになりました。Mieleが主流でよく聞くことが多く、カタログ設定しているメーカーも多い印象です。ただ、価格面で少し高価な印象がありお客様ご自身で性能と金額を比較していらした際によく聞くのがBOSCHやAEG、GAGGENAUです。どのメーカーもドイツが発祥の地です。
そもそも食洗機は必要?不要?
新築やリフォームの機会に、キッチンを検討していると必ずこの問題に1回は当たると思います。即決で手洗いできるからいらない!と決断される方も中にはお会いしたことがありますが、大半の方が”みなさん付けられるんですか?”という質問をされます。必要な人と不要な人の違いはなんでしょうか。
食洗機が欲しいと思うのはどんな人?
- 洗い物はまるっと食洗機に任せて隙間時間に他のことをしたい
- 家族の人数が多くて1回の食事で出る洗い物の量も多くて辛い
- 1日自宅にいる時間が短く、まとめて洗うことになり憂鬱に感じる
- 夜寝ている時間にお任せしてしまいたい
- 食器用洗剤で手が荒れやすい
- 水の使用量が気になっている
今ままで筆者が聞く欲しいと思う人の理由の一部をまとめてみました。
食洗機が欲しくないと思う、検討をためらうのはどんな人?
- 手洗いした方が早いと思う
- 汚れが本当に落ちるのか心配
- どうせ予洗いするなら、一気に手洗いしてしまいたい
- 手洗いがそもそも苦ではないし、それくらいの時間はある
- 自分の優先順位に対して価格が見合わない
- (リフォームの場合)水栓金具のシャワー機能が優秀で汚れ落ちに困っていない
欲しくない、買わないかなぁ…と検討を躊躇っている方のお話しを一部まとめてみました。ちなみに、2項目の汚れが本当に落ちるのか心配な方や3項目のどうせ予洗いするなら一気に手洗いしてしまいたいという方の場合は、近隣やご友人で使っている方のお話しを聞いてみたり実際にお宅訪問をしたときに見たりしている方に多い傾向な気がします。
汚れ落ちが気になっている人や少量での使用は効率が悪いと思っている場合
食洗機には【グレード】というものが存在します。車に似たようなオプション機能とでもいいましょうか。そのグレードによって洗浄方法やデザイン・選択できるコースにも違いがあります。その違いを理解したうえで金額が見合ったものをご提案差し上げると決定打が打ちやすいですよね。知っている上で本当に自分には必要なのかを見定めるのは、結構早く選択ができますよ。
- 汚れ落ちが気になっている
➡普及品だと、食洗機下部についている洗浄アームの本数が少なく水が行き渡る角度や方向が十分に見合っていない場合があります。もしくはお皿を入れる方向とアームの動く方向が合っていないことも考えられます。選ぶ際に、アームがどんな動きをするのかや何本あるのかを気にして見てみると良いかもしれません。
- 少量の使用は効率が悪いと思っている
➡少量コースのある食洗機や、エコモードのある食洗機をご存じですか?そういったモードを選択すると時間を短縮して一通りのコースが終了する機種もあります。ただし国内メーカーは乾燥に一番時間がかかるので、乾燥をしないというのも1つの短縮する手立てといえます。
食洗機、どうやって選ぶ?
容量で選ぶ場合(多→少)
- フロントオープン:60cmタイプ
- フロントオープン:45cmタイプ
- スライドオープン:深型
- スライドオープン:浅型
乾燥方式に着目する場合
国内の食洗機に関しては、食器用のドライヤーを搭載していると思っていただいて良いかと思います。イメージのとおり風乾燥をするので、髪の毛をドライヤーで乾かすときに感じる時間の長さを感じることになります。なので、国内メーカーは乾燥に一番時間がかかるのです。
反対に、前述であげたドイツのメーカーのうち
- Miele(ミーレ)
- AEG(アーエーゲー)
この2社はオートオープン機能やエアドライ機能を搭載しており、扉を自動で少し開けて洗浄後の高温水蒸気を放出することで乾燥させる方法を取っています。電力を使わないので、乾燥にかかる電気代が気になる方やエコ志向の方にはおすすめですね。
この2社はゼオライト・ドライやゼオライトテクノロジーという機能で”ゼオライト”を使用しています。どちらも発生する水蒸気に吸着して発熱し乾燥するという機能で食洗機の下部奥にゼオライトを搭載しているようです。お皿を置く際に、このゼオライトを塞がないように並べるという注意点はありますがこちらも電力を使用しないシステムでエコです。
時間を短縮して使用したい場合
エコモードや、センサーで汚れ具合や点数を判断してくれる機種を選択するとよいでしょう。取扱説明書に運転時間を記載している国内メーカー品もあるので、Web検索して探してみるのもいいですね。海外メーカーは、洗浄モードがかなり豊富で説明書を見ても”オプション機能や運転モードによる”という記載が多いので、はっきりとしたことが分かりにくいメーカーが多い印象です。
点数は多くないけど、欲しいかも…と思う場合
キッチンの作業台に30cm~60㎝程のスペースに余力があるなら
電気量販店で売っている、分岐水栓*1が不要な置き型食洗機をあえて提案する場合もあります。使うか使わないか分からないけど、キッチンはスペースがあるという方に実際におすすめしたことがあります。お水は加湿器のようにタンクへ補充するので、大々的な蛇口の交換も必要ありません。
スライドオープン浅型や45cmの国内フロントオープン型を提案する
容量の大きなものが必要ない場合は、このどちらかをお話ししています。フロントオープン型にもメリットがあり、お箸やスプーンなどのカトラリー専用トレイが最上段にあることが多くスライドオープンのように立てて入れると浅型の場合入らない菜箸も楽々なんです。また、お椀などの配置に迷うことなくざっくばらんに配置できるのも食洗機初心者さんに嬉しいポイントです。
フロントオープン型って大きすぎない?
よく聞くこのキーワードの背景は、手前に大きく開いてくる扉の圧迫感と最下段の深さによる取り出しにくさ。たくさん入るのは嬉しいけど、買ったら毎日のことなのにちょっと…と難色を示される方も少なくありません。
そんな時に足を運んでほしいショールーム
ショールームって何回行くの?行かないとダメなの? - ショールームのあれこれブログ
少し前にこんな記事を投稿しましたが、難色を示す要素があるときこそ実際にフロントオープン型が展示されているショールームに足を運んでみてください。意外と、前に大きく開いてくる扉の前に立って何かをする頻度はあまりありません。扉の横で出し入れして食器棚にしまったりすることの方が多いので、ぜひそんな動線をイメージしに行ってみてくださいね。
最下段の深さに抵抗がある場合
確かに、フロントオープン型の最下段は結構低くて屈んで出し入れすることがおおくなるかもしれません。そんなことを筆者も思いながら調べていたらありました!!そんなお声を解消してくれるフロントオープン型が。
AEG(アーエーゲー)のフロントオープン型60cmタイプ
45cmのタイプには残念ながら搭載されていませんが、【コンフォートリフト】という機能がAEG(アーエーゲー)のフロントオープン型食洗機にはあります。
Integrated Dishwasher - Built-In Dishwashers - AEG
最下段が、他の上段を収納した状態で上に上がってきてくれる機能です。こういうのなかなかないですよね。割とよくデメリットとしてあがっていた最下段の取り出しにくさが、しっかり解消されている素敵なアイテムだと思います。
(※悲報:2024年で日本からAEGは撤退しているという噂が…。いずれ購入できなくなってしまうかもしれません…。)
まとめ
食洗機が本当に必要なのか、使ったことがない方にはなおさら大きな買い物なのに決断するのは本当に骨が折れますよね。ぜひ生活のイメージ(共働きなのか、お子さんはいらっしゃるのか、家事動線や家事をする時間帯など…。)をしながら取捨選択をしてみてください!きっと素敵な決断ができると思います。
それではまた。
*1:主水栓からホースを繋いで水を引く分岐がついているもの